ピースウィンズ・ジャパン狂犬病予防法違反で書類送検

タイトル通り、ピースウィンズ・ジャパンの代表が狂犬病予防法違反で書類送検され、容疑を認めています。

狂犬病ワクチン接種の是非に関するウンヌンカンヌン

狂犬病ワクチンって、犬を飼うための最低限の約束事。それができていなかった。というより、悪意を持ってやっていなかったと明言させていただく。

狂犬病予防法全文はこちら↓からどうぞ。第5条がワクチン接種の義務ね。

電子政府の総合窓口(e-Gov)。法令(憲法・法律・政令・勅令・府令・省令・規則)の内容を検索して提供します。

狂犬病ワクチンを接種しない人が挙げる主な言い訳は

  1. 国内に発生していないから接種する必要がない
  2. ワクチンの副作用で犬が体調を崩した(死んだ)ことがある
  3. 狂犬病ワクチンなんて獣医の儲けのためにある

確かに日本での発生は60年以上ない。それはみんなが犬殺し!と批判した保健所の先輩方のおかげ。狂犬病を媒介し、人に感染させる可能性が一番高い犬(野良犬、ノイヌ)を片っ端から捕獲、殺処分していただいた。本当に、本当に多数の犬を。言葉は悪いけど、あえてこういう書き方をさせてもらう。

昔は動物愛護もへったくれもなく、犬たちにひどい目をあわえてしまったことも多かったと思う。しかし、今安心して犬を飼えるのは、公衆衛生の名のもとに野良犬・ノイヌを捕獲、殺処分すると判断した国と、現場で実際に従事した保健所の偉業のおかげだ。

その偉業に甘えて、平和ボケして、「未だに殺処分をしている保健所や環境省」と批判しながら、法律違反をしている団体には苛立ちを隠せない。ま、これはピースウィングジャパンだけのことではないけどね。

2番目のワクチンの副作用については、獣医師としてある程度理解できる。法律で接種義務とされているものが(その犬の)命を奪うものであってはならないと思う。

しかし、その法律を守らないことで(犬と人とその他哺乳類、多数の)命を奪うことは許されない。

本当に、本当に多数の犬を殺処分していただいたと先述したが、狂犬病ワクチンを打たない犬、法律違反者が増えることで、再度、本当に、本当に多数の犬を殺処分していただかなければならない事態になることが懸念される。

人の医療でもワクチン否定派が話題になってるけど、ワクチンを打たないのはその人の勝手と思う。でもそれによって身近な人が障害を負ったり、命を奪うことは絶対に許されない。

詳しいことはこっち↓の記事みてね。狂犬病が日本に流行しないように!も正解なんだけど、改めて復習したい人、もう一歩踏み込んで学びたい人はご一読を。

犬の飼育には、登録と注射が義務付けられています。どちらも4,000円未満です。 登録は飼い始めたら1回だけです…

あと、混合ワクチン打ってるのに、狂犬病ワクチンは副作用を言い訳に打たない理由は理解、説明できない。

狂犬病ワクチンの方が副作用が出やすいって聞いた?でも出るか出ないかは善か無かでしょ。

じゃあ出やすいと聞いていた狂犬病ワクチンで出なくて、出にくいと聞いていた混合ワクチンで出たらどうするの?マロンくんが混合ワクチンで副作用でたら、今同居のショコラちゃんも混合ワクチン打たないのか?これからあなたが飼う犬全頭混合ワクチン打たないのか?

その判断をするなら、散歩をすることも、他の犬は勿論、犬を飼っているすべての人と飼い犬が接触することも控えましょうね。

ワクチンってそういうものなのよ。リスクは確かにあるけど、リスクを盾に、反ワクチン唱えてはいけない。まして、義務付けられている狂犬病ワクチンは打ちましょう。

書類送検による影響

書類送検まで至ったのは、非常にレアケース。この記事(このブログは)印象操作しない書き方を意識しているので、あえて正直に書かせてもらうが、狂犬病ワクチン未接種の人は多い。車を法定速度以上で走らせている人、とまでは言わないが、違反しても捕まらないことも多い。

ではなぜ、書類送検されたのか。

ご存知の方もいると思うけど、この団体は、先日記事にしたSEKAI NO OWARIとともにブレーメンパークを開催しています。

SEKAI NO OWARIが仕掛ける犬猫殺処分ゼロプロジェクトのひとつ「ブレーメンパーク」を、セカオワのトークセッションを中心にレポート。これをきっかけに犬猫のとりまく現状を知ってもらいたい。それがセカオワの願いでもあるはず。

このようなイベントに限らず、かなり大規模に行動している団体のひとつであることは間違いない。上の記事でも書かせてもらったが、その行動力は評価したいし、それが多数の命を救う活動になったことは間違いない。

そんな感じの団体なので、目立ってしまった。

スピード違反で捕まる人も、やっぱり目立つくらいのスピード違反をしている、かつ(または)繰り返しスピード違反をしている人でしょ。まさか今日初めて法定速度以上出した人が捕まらないよね?それと一緒。

実際、この団体は狂犬病予防違反だけでなく、保護した犬の飼養状況も悪く、虐待に近いという話が絶えなかった。狂犬病ワクチンを全頭に打っていないことも容易に想像できる。

この記事を読むのに必要な時間は約 12 分です。 要点をざっくり NPO法人ピースウインズジャパンのプロジェクトである「ピースワンコ・ジャパン」で、凄惨な虐待が行われていると週刊新潮が報じています。 これに対して、「ピー ...

そうなると、摘発されるべくして捕まったというところ。

好影響

では、狂犬病予防違反での書類送検による好影響はなんだろう。当然、違反者が裁かれたこと自体はいいことだけど、それだけに収まる話ではない。

見せしめになったことだろうか。いや、そうは思わない。狂犬病ワクチン打たなければ実際に書類送検されるんだという意識は多少芽生えるかもしれない。しかし、微々たるものだろうし、人は忘れる動物だ。この事件によって、今までワクチン未接種だった人が今後打つようになるとは考えにくい。

悪意だらけの偽善者ということが晒されたことが最大の好影響だと僕は思う。

これにより、飼養状況の改善まで波及すれば、そこにいる犬たちの幸せにつながる。

悪影響

悪い奴が裁かれることで、悪影響なんてない!というのは簡単だが、そこは一旦落ち着いて、多角的視点で考えてみよう。

やはり、この団体には影響力があった。SEKAI NO OWARIともコラボして、人を集めることができる団体だったし、このイベントを通じて犬猫の現状を知ることができた人も多いだろう。愛護活動に関わってくれるようになった人もいる。

しかし、この書類送検によって愛護団体へ「負のイメージ」がついてしまった人も多いのではなかろうか。その悪影響は大きい。

たびたび、寄付に頼った運営はいかんという意見を耳にする。僕もそう思う。正直いって、愛護団体にいいイメージを持っている獣医師も少ない。というのも、「慈善事業なんだから!」を武器に、とにかく安く依頼してくる団体も中にはあるから。その気持ちもわかるし、それぞれができる範囲で協力しているが、安くしなければ救えないのなら、最後まできちんと運営し、犬猫を幸せにできるとは思えない。

かといって、寄付なしで運営できるかと聞かれれば、答えはNO。

欧州の歴史ある愛護団体も、寄付に頼る部分が大きいことがそれを証明している。

こちらのレポートのページ番号22参照

※RSPCAの収支だが、ドイツの大小のティアハイムも同様に寄付が収入のメイン

しかし、彼らは寄付を安定して集めることができる力を持っている。僕が愛護団体の運営に1番必要だと思っているのは、この力だ。これを持っていれば悪い意味で寄付に頼っていると表現する必要はないだろう。

国内にも、この力を持った団体はいくつかある。そのうちの一つが今回の団体だったのかもしれない。そこが悪いことをしていたとなれば、他の正当な資金収集力を持った団体ですら資金を集めにくくなることは、一番の悪影響だ。

寄付や署名だけして、実際に動かない人たちを批判する人もいる。それは僕はしたくない。そういう人たちの善意を踏みにじりたくない(批判する理由があることも重々承知していますが)。だからといって、そういう人たちが「どこの団体が健全で、寄付に値するかな?」なんて熟考することを期待できないんだよね。となると、「動物愛護団体になんて寄付しない」と一緒くたにされる。それが今回の悪影響だと思う。

警察と行政

今回の件は、警察が実際に動いたことを評価したい。偉そうにw

広島県はなにをやっていたんだろう。飼養頭数がキャパオーバーという理由から県からこの団体への犬の譲渡は見送っていたという情報もある。それは英断だ。

しかし、先に狂犬病ワクチン未接種を把握していたはず。その段階で判断できなかったのであれば悔しいところ。経緯詳細が見えてこないので、細かいところまで言及することは避けるが、毅然とした態度で、譲渡を断ることも行政の仕事であることは言っておく。

というのも、やはり行政の殺処分ゼロは、このような大きな愛護団体への譲渡あってこそなのだ。そこがなくなると、犬猫の「はけ口」がなくなる。つまり、殺処分が増える。

殺処分ゼロを謳っても、その負担は愛護団体に押し付けられていることを忘れないで欲しい。だから、安易な殺処分ゼロ宣言は好ましくないのだ。

善意の寄付に頼る民間団体に頼る行政。最悪だけど、これが今の構造。

ちなみに、かなり田舎の自治体でゼロ達成した時、大学の先輩がそこにいたので話を聞いたことがある。本当に入ってくる数が少ないから、行政の努力で達せいできたのだと実感した。めちゃくちゃ噛み癖のある犬や、車で轢かれたような重症の負傷猫はいないそうだ。いても年間数頭。その自治体が認知していない可能性もあるが、実際に入ってくる犬猫がその程度であれば、確かに行政の努力でゼロを目指すことができる。そういう自治体はぜひ、ゼロを目標にしたり、継続して欲しい。

まとめ

前回、ブレーメンパークの記事を書いたときには、当然悪い噂は知っていた。けど、やはり入り口を広げることとしてはいいイベントだと思うので、あのような形で紹介した。

今回このような事件があり、このような形で記事としてが、あのイベントから動物愛護に興味を持った人はがっかりしないでほしい。本当に頑張っている動物愛護団体さんも多い。行政努力で殺処分ゼロを達成したところもある。

色んな団体さん、行政に足を運ぶことができるのなら、どんどん訪問して欲しい。そんな時間がないのなら、寄付や署名だっていい。

その一歩が無駄な命の消費を少なくすることは間違いないのだから。

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りどる (@2NnhCjioA2ogalv)さんの最新ツイート。元保健所獣医師。 動物愛護行政で、条例策定、短期海外研修、地域の災害対策に携わりました。その後自然環境部局も経験。 動物の愛護管理、福祉、自然環境問題について発信していきたい。 動物問題を多角的視点で見るブログもよろしくお願いします↓

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